FD-15の効果
■コンクリート初期~長期間のひび割れ抑止効果が確認されています。
■ブリージングをおさえてコンクリート表面のレイタンスの発生を防ぎます。
■防錆剤により埋設鉄筋の発錆抑止効果が期待できます。
■法面の吹き付けモルタルのひび割れ抑止効果が確認されています。
■液状で混ざりやすいため、ミキサー車で1分間混練りするだけで混合できます。
■無筋コンクリートなどには300g/㎥の添加量で効果が確認されています。
■使用している繊維が無機質であることと非常に細いため、施工後、ミキサー車の洗浄は不要です。
収縮ひび割れの抑制
FD-15をコンクリートに加えるとコンクリートの初期、長期にわたって収縮を抑制し
てひび割れの発生を防止します。
ただし、施工指針に準拠した材料の選択、打設方法、脱型時期、養生などの施工基準に
沿った施工を行わなければひび割れを防止することは困難です。
耐震補強コンクリートやマスコンクリートにおいてひび割れ抑制効果が確認されました。
プレーンモルタルに対してFD-15混入モルタルは収縮低減効果を確認しました。
(チキソトロピー剤による)急斜面における施工性の向上
チキソトロピーとは振動の影響下では流動するが、無振動においては形状を維持しようと
する性状です。
FD-15をコンクリートに加えると急斜面での施工が容易になります。
小口止めコンクリート 打設開始から仕上げまで1時間以内で終了しました。
コンクリートの物性
FD-15を混入してもコンクリートの物性に影響をあたえません。
工事名 | FD-15混入コンクリートの強度確認 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
呼び方 | コンクリートの種類による記号 | 呼び強度 | スランプ(㎝) | 粗骨材の最大寸法(mm) | セメントの種類による記号 | ||||||
普通 | 24 | 8 | 25 | N | |||||||
採取月日 | 試験月日 | 材令(日) | スランプ(cm) | 空気量(%) | 質量(kg) | 荷重(kN) | 強度N/㎟ | 平均強度N/㎟ | CT(℃)養生方法 | 備考 | |
3/15 | 4/12 | 28 | 7.5 | 5.0 | 3.670 | 224 | 28.5 | 28.2 | 24 標準 養生 |
||
3.685 | 222 | 28.3 | |||||||||
3.680 | 219 | 27.9 | |||||||||
3/15 | 4/12 | 28 | 6.5 | 4.5 | 3.670 | 244 | 31.1 | 31.1 | 24 標準 養生 |
FD-15使用 | |
3.650 | 241 | 30.7 | |||||||||
3.665 | 248 | 31.6 |
コンクリートの収縮抑制効果
FD-15を混入した吹き付けモルタルの長期における長さ変化はプレーンモルタルに対しおよそ半分となります。
FD-15の特殊なカーボン繊維
通常のカーボン繊維は断面の径7μの繊維が2,000~3,000本収束されています。
このカーボン繊維の束を特殊な手法を用いてフィブリ化し、セメント粒子より小さい直径7μのミクロカーボン繊維としました。
ファイバーボールを作りにくい分散性の良いカーボン繊維です。
セメント粒子の直径は10~20ミクロン。
ミクロカーボン繊維の断面の直径は7ミクロン。
500gのFD-15には15~20億本のミクロカーボン繊維が含まれます。
その膨大な数のミクロカーボン繊維がセメント粒子間のアンカー材となります。
セメントスラリー中のミクロカーボン繊維
最大量のFD-15をセメントスラリー中に混入したときの断面拡大写真。最小目盛りは10μ(1/1000mm)。
ブリージング抑制効果
・コンクリートにFD-15を混入するとブリージング量がおよそ半分になります。
・保留されたブリージング水はコンクリートの達成温度の抑制に貢献します。
・保留されたブリージング水はコンクリートの急激な乾燥を防ぎます。
コンクリート | 種類 | ブリージング率 | 比較 |
---|---|---|---|
名称:24-8-25B | プレーン | 1.36% | 100.0 |
FD-15 | 0.73% | 53.7 | |
名称:45-21-20N | プレーン | 1.43% | 100.0 |
FD-15 | 0.77% | 53.8 |
埋設鉄筋への防錆効果
FD-15には特殊な防錆剤が入っています。
防錆剤によって、わずかに埋設鉄筋の発錆を抑制する効果が得られます。
ただし、この効果が得られるには鉄筋のコンクリートへ長い埋設時間を要します。
コンクリート埋設鉄板の塩水噴霧試験
170日間コンクリートに埋設した鉄板をコンクリートから取り外し、塩水噴霧試験を行った。
(神奈川県産業技術センター)
四電極法による比抵抗試験
配合強度24N/㎟と36N/㎟のコンクリートにおける比抵抗試験をおこない、FD-15の混入の有無による比抵抗値を測定した。
試験は、Wenner法(四電極法)を用いて材令1ヶ月のコンクリートで行った。
*コンクリート強度が高いほど比抵抗性は大きく、内部の含水率の影響が大きいとされている。
本試験では所定強度のコンクリートとそれにFD-15を500g/㎥混入したコンクリートについてその比抵抗を測定した。
コンクリート強度 | コンクリートの種類 | 比抵抗値 | 評価 |
---|---|---|---|
24N/㎟ | プレーンコンクリート | 7.0kΩ | 影響なし |
6.3kΩ | |||
FD-15混入 コンクリート |
7.9kΩ | ||
7.3kΩ | |||
36N/㎟ | プレーンコンクリート | 8.2kΩ | 影響なし |
8.8kΩ | |||
FD-15混入 コンクリート |
7.9kΩ | ||
7.9kΩ |